●酒米のDNAと土壌分析でデータ化を追求
神戸:山田錦について本田会長は随分と突っ込んで研究されていますね。最近は土についてやってらしゃると聞きますが。
本田:山田錦が出来てから65年ですわ。普通やったらもうそれ以上の新しい品種が出来てるはずですわ。それが出来ないと言うのは普通やないからです。
ここに山田錦とそのお母さんに当る山田穂(やまだほ)、同じく酒造好適米の雄町(おまち)、それにその他の米があります。
これらを兵庫県の生物工学研究所に持ち込んでDNA分析をしているんです。
これまでのところでは山田穂が雄町と山田錦の2つとは違っている点を見つけることが出来たんです。それで山田錦と雄町もはっきり識別出来る部分を見つけることが私の宿題なんです。
見た目では山田錦の心白は中心部に一直線に入っている線状紋ですし、雄町の方の心白は菊の花のようにギザギザに入る菊花紋ですから、明らかに遺伝子が違う筈です。そんな中から山田錦の普通でないところが見えてくるはずです。
すでに色々とDNA分析をした結果があります。
例えばここに酒造好適度は高いのに将来性が低いと判定されている米があります。
なんでなら、酒に造り易いけど良い酒にはならないからです。DNA分析にかけたこんなデータ集を見ると、造り易くて良い酒になる可能性の高い品種と言うと山田錦の系統のものがやはり残るわけです。
神戸:まるで大企業の研究所か公的機関がやるような研究を本田さんがやられているんですね。
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| 明らかに異なる色を見せる各田圃の土 |
本田:私なんかより適任者はいっぱいいると思うんやけど、すぐ儲かるものでもないし、かと言って公的機関とは違って、私のように欲と二人連れだと同じことをしても違った成果がでるんですわ。
土壌の方も、先日兵庫の山田錦を作っている田圃(たんぼ)から30箇所を選んでサンプルを採らせていただきました。
まず田圃を作っているわけですから、いつも耕している深さまでは肥料やなんやで元の土とは違います。それで耕す深さまで表土を剥がして、その下の鋤き床から5センチ下の土を持って来たんです。
現物を見て下さい。同じ田圃でも端と端ではこんなにも違うところがあるんです。
神戸:これは確かに違いますね。しかし一枚の田んぼでこれだけ違うとデータを採っても、どう使うんですか。
本田:この30ケ所のサンプルの標準値を求めようと考えています。
そうすれば手始めに今は兵庫県でやっているわけですが、これを福岡県や三重県でもやらせてもらって次々と発表して行けば、DNA分析と併せて、品種と産地ごとの特性がデータ化できるんです。
神戸:なるほど、われわれJAみのりとしても、色々と始めていますが、この辺りは連携してもっと突っ込んでやる必要がありますね。高級ワインのブドウ畑も土壌について非常に細かく分析されている訳ですから、ワインに伍して世界に出て行くことを考えれば当然と言えば当然のことですね。
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