山田錦の基礎知識
●酒造好適米(酒を造るのに適した米)の特性
「日本酒」は同じ醸造酒であるワインにおけるブドウのようには、原料となる品種の特性が、その香りや味に直接現れにくい面がある。
それというのも原料米自体どの品種をとっても、独自の香りといえるものはまずない。
また、ブドウのように品種間で比較すべき個性が目立たない。
酒質の一般な目安である甘辛や香りに影響を及ぼすのは、麹や酵母の方であろうし、ましてやそれらより『造り』によるところが大きいと言える。
ただ、これらがどう生きるかは、原料米の善し悪しで決まると思われる。

酒造好適米の重要な性質を探ってみよう。

(1) 千粒重(その品種の千粒の重さ)が大きいこと
品種自体が大粒で、その特性の充実度が高いということである。吟醸酒クラスになると半分以上を糠(ぬか)として削り取ってしまうが、精米の歩合が高くても、大粒で充実度が高いほど歩留まりはよくなる。

(2) 心白(しんぱく=品種特性のひとつで、米粒の中心部が白濁する現象)率が高いこと
心白部分はでんぷんの充実度が疎になっており、密より疎になっている方が、麹菌(こうじきん)が入りやすくなる。したがって、強い糖化力のある麹(こうじ)ができ、酒母(しゅぼ)、麹(こうじ)の糖化力がよりよい状態となる。
特にJAみのり管内の山田錦は、中心部に心白が線状に入っており、精白がしやすく「麹菌(こうじきん)の食い込みが違う」と各蔵元から高い評価を得ている。

心白の発現差異(粒の大小の比較写真)
粒の大小の比較写真

(3) たんぱく質や脂肪の含有割合の低いこと
これらが多いと、酒質を構成するアミノ酸が多くなり過ぎ、雑味の原因となってくる。
米の表層部分にたくさん含まれるので、精米歩合を高めることはそうした部分の除去にもつながってくる。

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